■ INDEX
今回はソフトを使ってのDCF法の実際の評価のプロセスをお話します。(前回のコラムで次回は、キャップレート(還元利回り)の話をお約束してましたが、本コラムの利回りのなかで書いています。)
DCF法を理解する早道はソフトを使って現実の賃料などのデータでキャッシュフロー表を作成し、その結果、導き出される収益価格、さらにデータの分析機能でその案件のリスクの度合いや評価額の妥当性を検証するという全ての評価・分析プロセスを一度経験してみることです。具体的な数字が目の前で展開することにより、解りにくかった部分が氷解することがよくあります。
DCF法ソフトの市販のものはいくつかありますが、本コラムでは日本システム評価研究所が開発したDCF法ソフト「RaTio5/5」、完成版は本コラム時点で間に合っていませんのでDCF法ソフト「RaTio5/5β版」の画像などを使い、できるだけ解りやすくお話したいと思います。
評価物件の想定
本コラムでは評価物件として具体的な賃貸ビルを想定し、DCF法を適用して収益価格を求めていきます。キャッシュフロー表を作成し、さらに借りれレバレッジ効果による自己資本帰属収益のIRRを上昇させる方法や、シミュレーション機能を使った高度な投資効果分析やリスク分析などの手法をDCFソフト「レシオ」の画面を利用しながら説明していきたいと思います。
難解だったDCF法がソフトを活用すれば誰にでも一応のレベルで不動産評価や投資効果の分析に活用できることを実感されると思います。

東京都△△区○○で稼働中の10階建賃貸ビル、仮称「TPOビル」(実在のビルではありません)で地階が店舗、1階から5階までが事務所、6階から10階まで住宅の各用途一体型を想定し、このビルの収益価格を求め、DCF法によるさまざまな投資分析を試みます。
「新規作成」メニューで作成することにしますが、マッサラの状態で1から入力するのも面倒なときは、類似性の強いビルの評価先例ファイルを利用します。評価先例のデータベースから援用する類似ビルを検索します。初期画面で「既存ファイルを援用して作成」をクリックすると既存ファイルの詳細なデータ一覧が表示されます。

○「所在」を例えば東京都中野区、「建物種別」を店舗・事務所・共同住宅、「階数」10で検索すると該当する先例ファイルが抽出されますのでそのなかから価格時点が比較的近く、ビルの類似性が強いものを援用することにします。なお評価各項目ごとの並べ替えもできます。
○該当するビルをマウスで選択し、「OK」ボタンをクリックすると「ビル名」を聞いてきますので「TPOビル」と入力すれば終了です。
既存ファイルのデータを利用して評価作業が可能となります。
※データはサンプルデータで現実のものではありません。
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基本設定、物件価格データ
「基本設定」画面で分析期間やビルの所在、種別、計算方法(全体率による簡易設定かテナント個別に追跡する詳細設定の区分)
を入力(または既存データの援用)、選択などをします。
「物件価格データ」画面で土地価格、建物価格の査定に必要なデータの入力(または援用)をします。
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レシオ画面(基本設定、物件価格データ) |

○保有期間6年、計算方
法は詳細設定と簡易設定が選べますが、この例示は簡易設定でセットしました。
○市町村名をリストボックスから選択、または入力して固定資産税・都市計画税の税率を関連付けておくと次から市町村名に連動して税率が自動でセットされます。
○土地は585.00㎡、土地単価㎡当たり200万円
建物は建物再調達原価㎡当たり15.5万円
延床面積 2300.00㎡
容積対象面積 2200.00㎡
○(基準容積率と敷地面積から計算される限界容積率に対する建物の容積対象面積比の容積充足率が自動計算表示されます。)
○賃貸面積合計、レンタブル比は「収入入力」画面で各テナントの賃貸面積が入力されると自動表示されます。
土地価額
1.170.000千円
建物積算価格
238.855千円
が求められました。
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画面内の「先例データ検索」ボタンをクリックすると基本設定、物件価格データの参考となる土地・建物に関係する評価先例のデータが一覧表示されます。
例えば評価建物の再調達原価を査定するのに過去データを参照したい場合は、建物、単価、構造、種別にチエックマークを入れて検索すれば延床面積、賃貸面積、レンタブル比、再調達原価、総額、躯体割合、設備割合などのデータが一覧表示されます。
Ratio5/5は、他ソフトにない強力なデータベース機能で利回りや、賃料水準、1時金慣行などさまざまな査定に必要なデータを検索し、提供します。 |
| レシオ画面(データベース/建物価格データ) |
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